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公開日:2023.02.16コンタクトセンター

IVR(自動音声応答システム)とは? 種類やメリット、導入時のポイントを解説!

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大量の電話がかかってくるコンタクトセンターなどでIVRを導入すると、業務が効率化されるなど数多くのメリットがあります。IVRが具体的にどのようなものなのか、またそのメリットや導入のポイントを知りたいという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事ではIVRの概要や種類、メリット、導入時のポイントを解説するほか、おすすめのIVRとして、楽天コミュニケーションズが提供する「楽天コネクト Storm」のIVR機能を紹介します。

  • 【目次】

IVR(自動音声応答システム)とはどのようなシステムなのか?

まず、IVRとはどのようなシステムで、導入した場合にどの程度の費用が必要なのかについて説明します。

IVR(自動音声応答システム)とは?

IVRは「Interactive Voice Response」の略で、日本語では「自動音声応答システム」と呼ばれます。コンタクトセンターシステムやCTI(Computer Telephony Integration:電話とコンピューターを連携させる仕組み)の機能として導入されることが多く、大量の電話がかかってくるコンタクトセンターなどで、自動応対によるオペレーターの省力化や効率的な振り分けのために利用されています。

例えば、電話がかかってくると、事前に用意された音声ガイダンスが流れ、そのガイダンスに沿って番号が押されると担当部署へつながるような使い方ができます。お問い合わせ窓口や再配達受付などに電話をして、自動音声のあとに「○○の方は1を、△△の方は2を押してください」といった音声ガイダンスにしたがって操作をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

IVR機能を提供するプラットフォームには「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。オンプレミス型とは、自社保有の施設やデータセンターのサーバーにシステムを構築するもので、導入企業ごとの要件に合ったシステムを構築できますが、導入費用などが高額になりやすいことが欠点です。

一方でクラウド型は、サービスを提供する企業のサーバーへ、インターネットなどのネットワークを経由して接続し、システムを利用します。自社でシステムを構築しないため、導入が容易で初期費用を低く抑えられる点がメリットです。従来はオンプレミス型が主流でしたが、現在はクラウド型が主流になりつつあります。

IVR(自動音声応答システム)の導入に掛かる費用について

IVRの導入でどのような費用が掛かるかについて説明します。IVRにはオンプレミス型とクラウド型があると説明しましたが、どちらを選ぶかによって費用が大きく異なります。

オンプレミス型は専用装置型とも呼ばれており、社内に独自のシステムを構築する形になります。そのためサーバー購入やシステム開発などで初期費用が高くなる傾向にあります。また、初期費用だけでなく、保守管理に対する費用が継続的に発生する場合もあります。

クラウド型の場合は、IVRのサービスを提供している会社からインターネット回線を介してサービスを受けられます。そのため、サーバー購入やシステム開発などの費用が発生せず初期費用を抑えることができます。コンタクトセンターの規模に合ったサービスの選択が可能で、様々なオプション機能が提供されており、企業の規模や予算に合ったシステムを導入できる点も魅力です。

IVR(自動音声応答システム)で実現できる機能

IVRでは音声ガイダンスによる応答だけでなく、ボイスボット、ビジュアルIVRなどの機能も実現できます。以下でそれぞれの機能の特長や違いを説明します。

音声ガイダンス

音声ガイダンスは、電話がかかってくると自動的に音声が流れるものです。プッシュ操作はありませんが、IVRを実現する機能となります。

音声ガイダンスの場合は音声を流すだけなので、オペレーターの対応が不要です。したがって、音声ガイダンスは営業時間外や電話が混み合っている際のアナウンスなどに用いられています。

ボイスボット(AI自動応答)

IVRは音声ガイダンスによって電話をかけてきたユーザーにプッシュ操作をしてもらう仕組みですが、ボイスボット(AI自動応答システム)の場合は、電話をかけてきたユーザーの音声を自動的に音声認識して、質問に対する適切な回答を自動で行います。イメージとしては、スマートフォンやスマートスピーカーのAIアシスタントのような機能です。

電話をかけてきたユーザーの情報や発話内容を蓄積することで、使えば使うほど音声認識や回答の精度が上がり、より適切な対応が行える点がメリットです。

ビジュアルIVR

ビジュアルIVRは、スマートフォンの画面上のガイダンスによって最適な窓口へ誘導するシステムです。音声IVRでは音声ガイダンスを聞き逃してしまうと最初から聞き直さなくてはならない欠点がありますが、ビジュアルIVRであればそうした手間は発生せず、聞き間違いが原因で誤った窓口へ接続されることもありません。ユーザーの待ち時間が短縮されるとともに、適切な窓口へ接続されるようになることから、顧客満足度が向上すると同時にオペレーターの稼働の効率化にもつながるでしょう。

コンタクトセンターでIVR(自動音声応答システム)を導入するメリット

コンタクトセンターでIVR(自動音声応答システム)を導入するメリット

IVRをコンタクトセンターに導入することで得られるメリットを、ここでは3点紹介します。

業務の効率化・リソース削減

IVRを導入していない場合、かかっててくる電話をそれぞれの担当部署へつなぐオペレーターが必要で、そのオペレーターを教育するためのコストも必要です。IVRを導入することで電話を振り分けるためのオペレーターが不要になります。

また、再配達の受付や資料請求のような定型的な対応であれば、それをIVRのみで完結させることも可能です。

さらに、IVRの振り分け先とオペレーターのスキルを紐づけることで、電話を適切な応対能力を持つオペレーターにつなげられるため、処理時間の短縮や応対ミスの減少といった効果が期待できます。

それによって電話業務による負担が全体的に軽減され、空いたリソースは、有人による対応が必要な他の業務へ割り振ることも可能です。結果として人手不足の解消や、人件費の削減につながるといえるでしょう。

顧客満足度の向上

有人対応のみのコンタクトセンターでは、応対時間は平日の日中のみなどに限られてしまうことが多く、そうした時間に電話をかけられない顧客は不満を感じてしまうでしょう。しかし、IVRであれば24時間365日対応することも可能で、顧客が都合の良い時間に電話をかけられるようになります。

また、IVRの音声ガイダンスで適切な部署へ振り分けができれば、電話がたらい回しにされることも減り、適切なオペレーターにつながるまでの時間が短縮されることになります。

したがって、IVRの導入は業務の効率化だけでなく顧客満足度の向上にも寄与します。

キャンペーンなどの施策が行いやすい

IVRはキャンペーンなどにも有効です。キャンペーンを実施すると、問い合わせの電話が殺到して、オペレーターだけでは対応しきれなくなる場合があります。

キャンペーンの問い合わせのうち、資料請求などの定型的な問い合わせをIVRのみで対応させるといった工夫により、オペレーターが対応する電話の数を減らすことができます。クラウド型のIVRであれば、キャンペーン期間中のみの導入も可能であるため、導入のハードルがとても低いという点も利点として挙げられます。

IVR(自動音声応答システム)を選定する際のポイント

IVR(自動音声応答システム)を選定する際のポイント

IVRを導入する際に意識しておくべきポイントを、ここでは4点紹介します。

オンプレミス型かクラウド型か判断する

上でも説明したように、IVRにはオンプレミス型とクラウド型があります。それぞれの相違点を以下にまとめてみました。

オンプレミス型 クラウド型
初期費用 数百万~数億円 数万円~数十万円
運用費用(月額換算) 数十万~数百万円
(保守費用として)
数千円~数万円
導入までの期間 2カ月~1年 2週間~1カ月
セキュリティ 高い オンプレミス型と比べるとリスクがある

オンプレミス型は導入企業の要件に合ったシステムを自社内に構築するため、導入費用が高額になるほか、導入までの期間が長くなる傾向があります。クラウド型は、インターネット経由で提供されるサービスを利用するため、自社で資産を持つ必要がなく、したがって導入費用や維持費用が安く、また短期間での導入が可能です。

クラウド型のサービスはインターネットを経由しているため、オンプレミス型と比べるとセキュリティリスクがあると言えますが、各サービス提供会社のセキュリティ対策によって、そのようなリスクは回避可能です。

このように、クラウド型の導入の容易さを考えると、これからIVRを導入するのであればクラウド型がおすすめです。

運用が簡単でサポートが充実しているか

IVRの導入においては、費用や機能だけではなく、運用についても考慮する必要があります。社内の運用チームでも容易に利用できるシステムでなければ、業務効率化といったIVRのメリットが十分に得られません。

例えば、IVRではお客様からの問い合わせに対応する流れを想定したシナリオ(コールフロー)の設計が重要ですが、IVRのコールフロー作成機能の操作が難しく、シナリオの作成や修正が容易でない場合、運用チームだけでは適切なシナリオを維持できない可能性があります。

同様に、サポート体制も重要です。導入後にトラブルや不明点が生じた場合に十分なサポートが受けられるかどうかもあらかじめ確認しておく必要があります。

料金体系が自社のニーズに合っているか

料金体系は、サービスによって異なるため注意が必要です。例えば、料金体系には月額料金の場合と1通話当たりの課金の場合がありますが、1通話当たりの課金にした場合、電話の数が少なければ料金が少なく済みますが、電話の数が多い場合は逆に料金が高くなってしまう可能性があるので、その場合は月額料金を選択するほうがよいでしょう。

そのため、自社で受ける電話の数を把握したうえで、複数のサービスの見積もりを取得して検討するのがよいでしょう。

必要な機能が備わっているか

IVRの機能は多ければいいというものでもありません。必要のない機能があることで料金が高額になってしまう可能性があり、また操作が複雑になる場合もあります。

そのため、自社にとって必要十分なだけの機能が備わっていることを確認しましょう。

IVR(自動音声応答システム)を運用するうえでの注意点

IVR(自動音声応答システム)を運用するうえでの注意点

また、IVRを運用するうえで注意すべきポイントを2点紹介します。

シンプルでわかりやすいシナリオ設計

IVRを利用する場合、シナリオの設計が重要だと上で説明しました。顧客からの問い合わせに対する適切なシナリオを想定し、できるだけシンプルでわかりやすいシナリオを設計することが重要です。

わかりにくいシナリオを設計してしまうと、顧客からの電話を適切な部署へつなげられない可能性が生じ、顧客にストレスを与えてしまうことになります。

わかりやすいコールフローを作成するコツは、専門用語などをできるだけ使わず、シナリオの分岐をシンプルにすることです。また、想定外の問い合わせに対応するために、「その他」の問い合わせ窓口も設けておきましょう。

継続的なシナリオの見直し

シナリオ(コールフロー)は、作成後も継続的な見直しが必要です。新商品の発売などで、問い合わせの内容も変化する可能性があるからです。また、実際にIVRを運用し始めてから見えてくる課題もあるでしょう。

IVRを一定期間運用したあとは、IVRのメリットである業務効率化やリソース削減が実現できているかを確認する必要があります。そのうえで、課題を見つけて改善策を検討し、運用に組み込んでいくPDCAサイクルを回すことが重要です。

クラウド型オムニチャネルプラットフォーム「楽天コネクト Storm」

コンタクトセンターでIVRを有効に活用したいのであれば、ぜひ「楽天コネクト Storm」の導入をご検討ください。「楽天コネクト Storm」はクラウド型のオムニチャネルプラットフォームで、電話・メール・チャットなど様々なチャネルの問い合わせに対応が可能で、IVR機能も提供しています。

楽天コネクト Stormは様々なチャネルの操作や対応をブラウザベースのシステム管理ポータルで設定できます。楽天コネクト StormのIVR機能もこのシステム管理ポータルから設定可能です。

IVRで重要なコールフローは、「ビジュアルエディター」という作成ツールの中で、ドラッグ&ドロップの操作と関連する設定だけで作成できます。

外部システムとの連携にも優れており、FastHelpやSalesforceといった外部のCRM(顧客管理システム)・SFA(営業支援システム)などとの連携が可能なだけでなく、企業ごとに独自に開発されたデータベースやシステムとの連携も可能です。

システムの可用性は99.999%の実績があり、キャンペーンを実施した際の突発的な需要増大にも耐えられる信頼性も大きな特長の一つです。医療機関や電力会社、公的機関など、信頼性が求められる機関でも多数導入されており、十分なセキュリティ対策も施されているのでセキュリティ面でも安心してご利用いただけます。

楽天コネクト Stormは中小企業から大企業まで幅広くご利用いただけます。1席から1万席を超える運用に対応が可能で、大規模コンタクトセンターをはじめとして国内の導入実績は1万2千席を超えています。

楽天コネクト Stormは、コンタクトセンターにIVRを導入して顧客エンゲージメントを高めたい企業におすすめのソリューションです。詳しい情報やお問い合わせについては、以下のサービスページをご覧ください。

クラウドコンタクトセンターサービス | 楽天コネクト Storm

まとめ

IVRは、コンタクトセンターにかかってきた電話に対して、音声ガイダンスとプッシュ操作によって、自動応答を可能にします。IVRを導入することで、業務の効率化や顧客満足度の向上が期待できます。

IVRを導入する場合、オンプレミス型かクラウド型か、そして運用の難易度や必要な機能が過不足なく備わっているかなどに注目して選ぶとよいでしょう。クラウド型であれば初期費用が抑えられ、導入期間も短縮できます。

楽天コネクト Stormは、クラウド型のオムニチャネルプラットフォームで、わかりやすいブラウザベースのユーザーインターフェースやIVRのコールフローを容易に作成できるビジュアルエディターなど、数多くの特長を持っています。IVRの導入をお考えなら、楽天コネクト Stormの導入をぜひご検討ください。

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