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IPv6とは?IPv4との違いやメリット、切り替え方法などを紹介

公開日:2024.09.12 更新日:2025.05.21
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IPv4に次ぐインターネットプロトコルとして、IPv6が登場しています。インターネットの普及にともない変化する状況に対応していくためにも、IPv6に対する理解を深めることが大切です。適切なタイミングでIPv6に切り替え、インターネット通信を快適に利用するための環境を整えることをおすすめします。

この記事ではIPv6の概要や接続方式、メリット、注意点を紹介します。IPv6への切り替え方法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

  • 【目次】

IPv6とは?概要と仕組み

IPv6はインターネットプロトコルの新バージョンであり、従来のIPv4とは異なる点がいくつかあります。ここからは、IPv6の基本的な概念と仕組みについて解説します。

IPv6は最新のインターネットプロトコル

IPv6は「Internet Protocol Version 6」の略称で、「アイピーブイシックス」「アイピーバージョンシックス」「アイピーブイロク」などと読みます。

IP(Internet Protocol=インターネットプロトコル)は、インターネット通信を行う際に必要なルールのことです。普段何げなく見ているウェブサイトも、その背後では膨大な情報が行き交っており、スムーズに閲覧するためには情報をやりとりするためのルールが必要となります。厳密にいえば通信プロトコルには多くの種類がありますが、IPはその中でも中心的な役割を果たしており、通信の正確性を担保しています。

従来広く使われていたIPv4から進化したIPv6は、最新のインターネットプロトコルです。インターネットに接続される機器にはすべて「IPアドレス」という識別番号が割り当てられていますが、これはインターネット上における住所のようなものです。

IPv6誕生の背景には、インターネットにつながる機器が増えて新規に割り当て可能なIPアドレスの数が足りなくなってきた事情があります。詳しくは後述しますが、IPv6で使えるIPアドレスの数はIPv4に比べて圧倒的に潤沢です。

IPv6アドレスは「サブネットプレフィックス」と「インターフェース識別子」という2つの構成要素に分けられます。

サブネットプレフィックスはネットワーク上における位置を示しており、前半の64ビットで構成されるものです。サブネットプレフィックスにあたる部分(サブネットマスク)の境界が可変であったIPv4に比べて、ビット数が固定されているIPv6はネットワーク設計が容易になりました。

インターフェース識別子は、IPv6アドレスの後半64ビットで構成される部分です。その名の通り、リンク上でインターフェースを識別する目的で利用されます。

IPv6とIPv4の違い

IPv4とIPv6の最大の違いは、使用できるIPアドレスの数にあります。IPv4では全世界で約43億個のIPアドレスを使用できましたが、インターネットの急速な普及によってIPアドレスの数が不足してきました。そこで、より多くのIPアドレスを使用可能なIPv6の必要性が高まってきたのです。

IPv6では、16の4乗のさらに8乗=約340澗(かん)、つまり340兆×1兆×1兆個という膨大な数のIPアドレスが使えるため、枯渇する心配はありません。IoT化が進んで多様な機器がインターネットにつながる時代になっても、IPv6なら安心してインターネット通信を利用できるでしょう。

具体的には、IPv4のIPアドレスは32ビット長で組み合わせは2の32乗通り、IPv6のIPアドレスは128ビット長で組み合わせは2の128乗通りです。詳しくは後述しますが、IPv4とIPv6では接続方式や対応設備も異なるため、切り替えの際は気を付ける必要があります。

参考までに、IPv4とIPv6の間にはIPv5も存在しますが、これは試験的に開発されたもので標準化はされていません。

IPv6の接続方法

IPv6の接続方法は大きく「PPPoE方式」と「IPoE方式」の2種類に分けられます。両者の違いや「IPv4 over IPv6」の技術を知ることで、IPv6のメリットや重要性がより深く理解できるでしょう。

ここでは、IPv6の接続方法について解説します。

PPPoE方式

PPPoE方式は「Point-to-Point Protocol over Ethernet」の略で、通信プロトコルの一種です。PPPと呼ばれる通信プロトコルをカプセル化して、Ethernet(イーサネット)と呼ばれる別のプロトコルで伝送することにより通信を実現しています。この方法は「トンネル接続方式」と呼ばれることもあります。

「PPP(Point-to-Point Protocol)」は、電話回線を用いてインターネット通信を行っていた時代のルールです。のちに高速インターネット回線が生まれ、LAN規格であるイーサネット上でPPPを使う必要が生じたことからPPPoEという技術が誕生しました。

PPPoEではインターネットに接続する際、必ずネットワーク終端装置(NTE)を経由することになります。そのため、インターネットの利用者やデータ通信量が多い時はネットワーク終端装置が混雑して通信速度が遅くなる特徴があります。

例えば、高速道路の料金所で都度止まってお金を払うようなイメージで、次に紹介するIPoE方式に比べて渋滞が発生しやすいことがデメリットです。また、PPPoE方式ではインターネットに接続するためにユーザー名やパスワードを入力する必要もあります。必要な情報を入力しなければインターネットが使えないという不便さも、PPPoE方式のデメリットの一つです。

PPPoEは基本的にIPv4による接続で適用される通信方式ですが、IPv6でも接続可能です。とはいえ、IPv6ではインターネット接続が簡単で通信速度も速いIPoE方式を選択するのが一般的です。

IPoE方式

「Internet Protocol over Ethernet」の略称であるIPoE方式は、直接プロバイダーにアクセスしてインターネットに接続します。PPPoE方式のように通信のたびにネットワーク終端装置を経由する必要がなく、スムーズに通信を行えることが特徴です。

PPPoE方式が高速道路の料金所で毎回止まるのに対して、IPoE方式はETC料金所を停車せずに通過するイメージだと考えるとわかりやすいでしょう。

電話回線の技術を用いたPPPoE方式と異なり、イーサネットの利用を前提としていることから、IPoE方式は「ネイティブ方式」と呼ばれることもあります。IPoE方式ではアクセスしてきた回線による回線認証のみで、IDとパスワードを入力して認証を行う必要もありません。

IPoE方式はIPv6のみに対応した通信方式で、IPv4ではIPoEでの接続ができません。同様に、IPoE方式でアクセスできるのはIPv6に対応したウェブサイトのみで、IPv4しか対応していないウェブサイトにはアクセスできない点には気を付けましょう。つまり、IPv6に切り替えることでインターネットの利便性が低くなるリスクも存在するということです。

「IPv6は通信速度が速い」というイメージがありますが、正しくは「IPv6のIPoE方式で接続すると通信速度が速い」という点に注意してください。

IPv4 over IPv6について

IPoEはPPPoEよりもスムーズに通信できる接続方式ですが、前述の通り、IPv6対応のウェブサイトやウェブサービスにしかアクセスできません。

現在はIPv4からIPv6へ移行する過渡期であり、IPv6に対応していないウェブサイトやウェブサービスもまだ多数存在します。そのため、IPv6に切り替えることで多くのウェブサイトにアクセスできなくなる可能性があります。

この問題を解決するために登場した技術が「IPv4 over IPv6」です。IPv4 over IPv6では、IPv4のパケットデータをブロードバンドルーターでIPv6パケットの中に包含して通信を行います。

一度IPv6の通信網から抜けたパケットデータは、ウェブサイトやウェブサービスに到達する直前にIPv4へ再変換されます。このような仕組みにより、IPv6でもIPv4にしか対応していないウェブサイトなどにアクセスすることが可能です。

IPv4 over IPv6では、このような「カプセル化」と呼ばれる技術が活用されています。IPv6未対応のウェブサイトやウェブサービスにもIPoE方式と同等の速度でスムーズにアクセスできるのは、カプセル化の技術があってのことです。

なお、IPv4 over IPv6を使うためには、プロバイダーとルーターのいずれもこの技術に対応している必要があります。IPv6のオプションサービスとして提供される場合もあるため、契約の際はプランの内容をよく確認しておきましょう。

IPv6のメリット

IPv6はセキュリティや通信速度、接続の簡単さといった点でメリットがあります。ここからは、IPv6の3つのメリットについて解説します。

セキュリティの向上

IPv6では、IPsecなどのセキュリティ技術を標準で組み込んでいます。IPsecは、IPネットワークにおける通信の安全性を確立するためのセキュリティプロトコルです。

IPsecを組み込むことで、ほかのセキュリティ機能と併せて高度な暗号化や高精度の認証により盗聴・なりすましの防止に役立ちます。また、データ改ざんなどのリスクも低減でき、従来のIPv4に比べてインターネットをより安全に利用できるため、IPv6を積極的に利用することが推奨されています。

このように、従来のIPv4に比べて安全にインターネットを利用できる環境がIPv6のメリットです。

参考までに、IPv4でもIPsecは準備されていましたがオプション扱いでほとんど利用されず、データの送信側と受信側で別のセキュリティ機能を用意することが一般的でした。

通信の高速・安定化

IPv6はIPoE方式でインターネットに接続可能なため、高速・安定化が期待できることもメリットの一つです。

IPoE方式なら、通信の際にPPPoE方式でボトルネックとなっているネットワーク終端装置(NTE)を経由する必要がありません。そのため、お昼休みや夕方など、接続のピークタイムでも混雑を原因とした通信の遅延が発生しにくく、快適にインターネットを利用できます。

通信の速さや安定性を重視する場合は、IPv6の導入を検討するとよいでしょう。

*一部のプロバイダーは最大10Gbps程度の「フレッツ 光クロス」に対応しています。

インターネット接続の簡略化

IPv6のIPoE方式は、IPv4のPPPoE方式より簡単にインターネットへ接続できます。

PPPoE方式ではインターネット接続時にユーザー名とパスワードの入力が必要でした。一方、IPv6のIPoE方式ならユーザー名などの入力が不要で手間が掛からない点も魅力です。

IPv6の注意点

ここからは、IPv4からIPv6に切り替える際の注意点について解説します。

IPv6対応の回線・ルーターが必要

インターネット通信でIPv6を利用するためには、IPv6に対応しているプロバイダーやWi-Fiルーターなどを用意する必要があります。

インターネットに接続する機器についても、パソコンやスマートフォンなどは対応が進んでいますが、未対応の機器も少なくありません。特にIoT機器や家電製品については、IPv6に対応しているかどうかを事前に確認しておくことが大切です。

IPv6に対応しているプロバイダーであっても、IPv6はオプション扱いになっている場合があります。契約の際に、基本プランやオプションの内容についてしっかりと確かめておきましょう。

IPv4のウェブサイトが閲覧できない場合がある

IPv6のIPoE方式で通信すると、IPv4で設定されたウェブサイトが閲覧できない場合があるので注意が必要です。IPoE方式でIPv4のウェブサイトを閲覧したいなら、IPv4 over IPv6の利用が必須となります。

現時点ではIP規格の過渡期であり、IPv6に対応していないウェブサイトも多く存在します。IPv4からIPv6への移行が完了するまでは、プロバイダーやルーターがIPv4 over IPv6に対応していることは必須条件といえるでしょう。IPv4 over IPv6を利用することで、IPv4で設定されたウェブサイトを高速かつ安定した通信で閲覧できるというメリットが期待できます。

現行システムとの互換性は要確認

IPv6とIPv4は互いに異なる通信規格であり、両者には互換性がありません。IPv6対応の機器とIPv4対応の機器は、そのままでは通信を行うことは不可能です。

そのためIPv6を導入する前に、現行システムとの互換性について確認しておく必要があります。IPv4 over IPv6など、両者に互換性を持たせるための技術を活用して、スムーズな移行を図ることが肝要です。

IPv6・IPv4のどちらを選ぶべきなのか?

現在はIPv6に対応していないウェブサイトやウェブサービスも多々あり、どちらを選ぶべきか悩んでいる方も多いでしょう。

結論をいうと、これから導入するならIPv6、現在IPv4を使っている場合もIPv6へ切り替えるのが賢明です。

たとえ利用頻度の高いウェブサービスがIPv6に対応していなくても、IPv4 over IPv6の技術を利用すればスムーズな通信が可能です。IPv4 over IPv6に対応しているプロバイダーやルーターを選ぶことで、移行期ならではの問題も払拭できます。

とはいえ、通信規格を検討する際は、各ウェブサービスのIPv6への対応状況を事前に押さえておくことも大切です。

各ウェブサービスのIPv6への対応状況

2023年12月時点でIPv6に対応しているウェブサービスは以下の通りです。

サービス名 IPv6への対応状況
Google検索
Yahoo! JAPAN
YouTube
Amazon
Facebook
Twitter(現・X)
LINE
PayPay
楽天
メルカリ

このように、主要なウェブサービスの多くはすでにIPv6に対応しており、通信規格を切り替えても問題なく利用できます。一方で、一部の証券会社の取引システムや地方銀行のインターネットバンキングなど、IPv6にまだ対応していないウェブサービスもあります。IPv6でこれらのサービスを利用するにはIPv4 over IPv6が必要となるため、プロバイダーやルーターの選び方には注意が必要です。

参考までに、米Googleの調査によると同社のサービスにIPv6でアクセスしている日本のユーザーの割合は2024年7月時点で50%を超えています。このデータから、日本ではIPv6へ切り替えているユーザーの数が増加していることがわかるでしょう。

一方、総務省の調査によると、アクセス数が多い国内のウェブ事業者が運営する534のウェブサイトのうち、 IPv6に対応しているのは2024年2月時点で10.9%です。全体の89.1%は未対応であり、事業者側はIPv6への移行が進んでいない状況が分かります。

この状況を受けて、総務省では企業向けの「IPv6対応ガイドライン」を取りまとめるなどしてIPv6の普及促進に取り組んでいます。

診断サイト

診断サイトを利用すれば、OSに関係なくパソコンの設定画面から自分で確かめるより簡単にIPv4やIPv6への接続状況を調べられます。アクセスするだけで接続状況を確認できるウェブサイトも多いため、簡単に調べたい方はぜひ試してみてください。

IPv6 test」はアクセスするだけで回線を判定してくれる診断サイトです。IPv4とIPv6の欄があり、「Supported」と表示されていれば、それぞれの規格で通信できることを意味しています。また、「Address」欄にそれぞれのIPアドレスが表示されます。

その他、「みんなのネット回線速度(みんそく)」や「確認くん」といったウェブサイトでも接続状況を表示できるため、使いやすいサービスで確認してみることをおすすめします。

IPv6への切り替え手順

IPv4からIPv6へ切り替えるためには、IPv6対応のプロバイダーや回線に申し込む必要があります。IPv6がオプションになっている場合もあるため、忘れずに申し込むことが重要です。

IPv6対応のルーターも用意してインターネットに接続する端末でIPv6への接続設定を行ってください。また、通信の高速・安定化を図るためにIPoE方式での接続を求められます。PPPoE方式のみでなくIPoE方式での接続にも対応しているかどうかを確認しておきましょう。

インターネットが世界中で普及して従来のIPv4ではIPアドレスの数が不足してきている昨今、IPv6への切り替えは緊急性の高い課題だといえます。IPv6ならIPoE方式でインターネットに接続できるため、従来よりも高速でインターネット通信を利用できるというメリットがあります。また、セキュリティの向上やインターネット接続の簡略化などもIPv6ならではの魅力です。

ただし、すべてのウェブサイトやウェブサービスがIPv6に対応しているわけではないことに注意してください。IPv6に切り替えたあともそれまでの利便性を保てるよう、IPv4 over IPv6などを活用しつつ、新しいネットワーク環境を構築していくことをおすすめします。

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