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スマートフォンなどで非通知の着信があると、出るべきかどうか迷ってしまうものです。なぜそのような電話がかかってくるのか、気になる人もいるでしょう。
今回は、非通知の電話がかかってくる理由、非通知の電話を受ける際に注意すべきポイント、非通知の着信を拒否する方法に加え、こちらから非通知で電話をかける方法についても解説します。
電話番号はもともと相手に通知されないものでした。最初に電話番号が通知されるようになったのは、1997年にNTTが「ナンバー・ディスプレイ」のサービスを開始してからです。それ以前の時代では、先方の電話番号は受け手にはわからないことが当たり前でした。そのため、年配者の中には非通知の着信であってもあまり不審に感じず電話に出てしまう方もいます。
それでは、電話番号の通知が当たり前となった現在、非通知の電話は誰からどのような理由で着信するのでしょうか。
まず挙げられる理由として「自分の電話番号を相手に知られたくない」ということがあります。電話番号を知られて困る理由は人によって異なります。
例えば、自分の個人情報が公開されるのではないかと心配していたり、折り返しの電話を受け取りたくなかったりする可能性もあります。電話は必ずしも信頼できる人だけにかけるわけではないため、この状況は避けられないでしょう。
また、自身の電話番号が非通知設定になっていることに気が付いておらず、そのまま電話をかけてきていることもあります。
目的が勧誘や営業、セールスであることも多いようです。こうした電話を非通知でかけてくる理由は、誰からの電話かわからないようにするためです。電話番号を通知すれば、その番号をブロックされてしまう可能性があります。しかし、非通知であれば同じ番号に何度も営業電話をかけることができるわけです。
なお、こうした勧誘や営業電話の頻度が多いのであれば、一度電話に出て「もうかけてこないように」と伝えるとよいでしょう。法律では、明確に断られたあとの再勧誘は禁止されています(「特定商取引に関する法律」第十七条再勧誘の禁止)。そのため、自分の意思を明確に伝えれば再度かかってくる確率が低くなります。
参考:特定商取引法ガイド「特定商取引に関する法律」第十七条再勧誘の禁止
非通知の電話は、オレオレ詐欺や振り込め詐欺のような犯罪を目的とすることもあるため注意が必要です。電話は素性を知られずにターゲットを罠にはめることのできる方法の一つだからです。特に犯罪行為を目的とした電話の多くは、身元を相手に知られないよう非通知でかけてきます。
また、その番号が実際に使用されており、現在通話が可能であることを確認するために非通知電話をかけてくることもあります。こうした確認を行うおもな目的は、ストーカーやいたずら電話、空き巣などです。固定電話の場合、在宅かどうかを調べるためにかけてくることもあります。
それでは、非通知での着信があった際には一体どうすべきなのでしょうか。その時に取るべき具体的な対処法は3つあります。
非通知での着信を受けても、電話をとらないようにしましょう。電話番号は基本的に受信者に通知されるものです。番号を通知しないように設定を行わなければ、非通知での発信にはなりません。
こちらにどうしても出てもらわなければならないような重要な電話を、あえて非通知でかけてくる人はあまりいないでしょう。そうしたことから、非通知の電話は受けなくても問題ない電話だ、といっても過言ではありません。「非通知電話には出ない」と最初から決めておきましょう。
また勧誘電話や営業電話だった場合、一度電話に出てしまったことがきっかけでしつこく電話がかかってくるケースもあります。非通知でかけても電話をとる人だと相手に認識されるためです。
その他、非通知電話をとってしまうと、非通知でも電話に出る番号としてリストに掲載されてしまう危険性もあります。悪徳業者の中にはそのような電話番号をリスト化して、闇で販売していることがあるのです。
こうしたリストに番号が載ってしまうと、営業や勧誘の電話が頻繁にかかってきたり、詐欺の標的とされてしまったりするリスクが生じます。このような事態を防ぐためにも、非通知の電話には出ないのが得策です。
非通知でも着信したらつい受けてしまう人は、最初から非通知の着信を拒否する設定にしておきましょう。非通知の着信拒否設定の方法はiPhoneかAndroidかで異なります。
ここまで行うと非通知の着信はホーム画面に表示されず、留守番電話の履歴リストにだけ表示されるようになります。
機種によっては「設定」画面のあとに「ブロック中の電話番号」をタップして、「不明な発信者からの着信をブロック」の項目を有効にすることで、非通知着信を拒否できるものもあります。
先述したように、非通知でかかってくる電話はストーカーや詐欺、空き巣などの犯罪目的であるケースも多々あります。電話を受けてそうした犯罪の危険性があると感じたら、迷わず警察に相談しましょう。
例えば、ストーカー被害に遭っているのであれば警察から加害者に警告をするなどの協力が得られる可能性があります。その際には、証拠として通話音声を録音しておくのがおすすめです。その他、着信履歴や電話の明細、電話の回数や内容、時間などを個人的に記録したメモなども証拠になります。
なお、110番は緊急性が高い場合の相談窓口です。緊急性が高くない時は#9110番に通報するとよいでしょう。
何らかの理由で非通知の電話でもとらざるを得ない場合は、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。
非通知の電話をとったら、まず先に相手側の情報を聞きだすようにしましょう。電話をかけてきた相手が本当に信頼できる人物なのかどうかを見極めなければなりません。そのためにも、相手がどこの誰なのかを判明させることが大切です。
もしも先に相手が自分自身の情報を明らかにしないのであれば、すぐに電話を切りましょう。自身の身元を明らかにしようとしない相手は信頼しないでください。
非通知の電話をとった時に絶対にしてはならないことは、自分から個人情報につながるような情報を相手に伝えることです。名前を名乗ったり年齢や住所を伝えたりすると、犯罪に巻き込まれる可能性があります。
相手は個人情報を盗み取るために電話をかけてきている可能性があります。非通知の場合は、相手が誰なのかわからないことを肝に銘じておくべきです。相手の素性が完全に判明しない限り、自身の個人情報は決して相手に伝えてはなりません。
非通知の電話の相手から何らかの行動をするように指示されることがあります。詐欺などの犯罪を目的とする電話によくあるケースです。こうした場合、決して従わないようにしましょう。
特に指示内容が金銭に絡むことや個人情報を聞きだすことであるなら、電話を切ってすぐ警察に相談しましょう。
非通知電話の相手を信頼しないことが大切ですが、だからといって相手の神経を逆なでするような発言は禁物です。相手から強い口調で詰め寄られたり、通話が長引いてしまったりする恐れがあります。
非通知でかけてくる相手と戦うよりも、なるべく関わらないようにするほうがずっと賢明です。相手が感情的になった際には、すぐに電話を切るようにしましょう。
非通知の電話に出る際に何よりも重要なことは、常に相手を疑う気持ちでいることです。一般的に、非通知の電話はあまりかかってくるものではありません。
また先述したように、相手が電話番号を通知しない設定にしなければ電話番号はこちらに通知されるものです。あえて非通知でかけてきているということは、それだけで何らかの悪質な電話である可能性が高いことを念頭に置く必要があります。仮に電話をとったとしても、決して相手に心を開かないようにしましょう。
とはいえ、何らかの事情により非通知で電話をかけなければならない場合があるかもしれません。そこで以下から非通知で電話をかける方法を解説します。
最も簡単な方法は、最初に「184」と入力してから相手の電話番号を入力することです。そうすれば、その通話に限りこちらの電話番号を非通知にできます。逆に、すべて非通知にしている状態で特定の通話のみ相手に電話番号を通知したい場合は、「186」と入力してから相手の電話番号を入力します。
なお、特定の番号のみいつも非通知あるいは通知とするのであれば、あらかじめ電話帳に登録する電話番号の前に「184」や「186」を付けておくと便利です。
こちらからかけるすべての電話を非通知に設定する方法は以下の通りです。
この設定を行えば、相手にこちらの電話番号は通知されません。
なお、あらかじめ非通知の設定にした状態で110番(警察への通報)や118番(海上で起きた事件や事故の通報)、119番(救急車や消防車の要請)といった緊急通報番号にかけても、電話番号は緊急通報受理機関に通知されます。ただし、位置情報は通知されません。
非通知電話は、迷惑な勧誘や犯罪などを目的としてかけられている可能性があります。そのため、トラブルに巻き込まれないためにも基本的に非通知電話には出ないようにしましょう。スマートフォンの設定で非通知着信を拒否しておけば、うっかり出てしまうことを防げて安心です。
つい非通知電話をとってしまった際には、決して相手にこちらの情報を伝えないようにしてください。