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公開日:2023.09.28モバイル

PHSとは?サービス終了の理由やPHSに代わる通信手段を紹介

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PHSは以前まで通信料金の安さなどの理由から企業で広く使われていました。しかし現在、PHSのサービスを提供する企業はほとんどなく、病院内などの内線として一部使われているのみです。

この記事では、PHSの概要について解説するとともに、サービス終了の理由やPHSに代わる通信手段について紹介します。法人向けにできるだけ費用を抑えられる通信手段をお探しの方は、ぜひご一読ください。

  • 【目次】

PHSとは?

PHSとは?

PHSは「Personal Handy-phone System」の略で、移動型無線通信機器のことです。「小型で個人が気軽に扱えて価格も安い」という理由から人気となり、「ピッチ」という愛称で広く普及しました。1997年の最盛期には700万件もの契約件数を獲得しています。

PHSの歴史

PHSのサービスは1995年に開始され、1990年代後半にかけて広く普及しました。しかしその後は携帯電話やスマートフォンなどの登場により、徐々にPHS市場は縮小していきます。

2011年頃にはスマートフォン向けの無料通話アプリが登場し、日常的な通話手段はPHSからスマートフォンへと移り代わっていきました。こうした流れもあり、PHSはアステルが2006年、NTTドコモが2008年、2021年1月31日にはSoftbank(Y!mobile)がサービスの提供を終了しました。そして、最後まで残っていた法人向けのサービスも2023年3月31日をもって終了しています。

ただし全面的にサービスは終了したものの、病院内の内線電話など、限定したエリアで独自に構築される「構内PHS」としての機能は一部継続しています。

PHSと携帯電話の違い

携帯電話とPHSの大きな違いは、電波が届く範囲にあります。携帯電話は高出力の電波を使用するため広域に電波が届きますが、PHSは一般的な電話回線から専用アンテナを用いて狭い範囲に電波を届ける仕組みです。

電波が届く範囲の目安は携帯電話が2.5km~5kmほどなのに対して、PHSは500m程度と限定されており、半径500mおきにアンテナを設置する必要があります。

なお、携帯電話端末をサービスとして提供するには電波法によって無線局免許状が必要ですが、PHSでは家庭用電話の一般回線からひいた無線を使用しているため無線局免許状が不要です。

携帯電話は通信事業者が包括的に無線局免許状を取得しており、利用者は契約手続きをするだけで利用できる仕組みになっています。

PHSが病院や介護施設などで使用される理由とは?

医療機器の中には、電磁波により検査結果に悪影響が出るものがあります。また病院にはペースメーカーを使っている方など、電磁波の影響で健康に害が出る患者さんがいることもあります。

PHSは携帯電話と比べて出力が弱く、医療機器や患者に影響を与えにくいことから、病院や介護施設などで広く普及しました。しかし現在スマートフォンで主流になっている4Gや5Gも、医療機器への影響は大きくないとみられる傾向があります。

PHSのサービスが終了する理由

PHSのサービスが終了する背景としては、携帯電話の普及によりPHSの需要が減少したことが挙げられます。

PHSは月額料金などが安価で機能性が高い点が魅力でした。しかし携帯電話やスマートフォンの通信エリアが拡大したことや、月額料金などの低価格化により価格差がなくなったことで、PHSを選ぶ理由がなくなったことがサービス終了のおもな要因と考えられます。

また4Gの登場により、スマートフォンの医療機器への影響が少ないと見られ始めたことも理由の一つでしょう。実際、近年では多くの病院や介護施設がPHSの代わりにスマートフォンを利用しています。

PHSに代わる通信手段

PHSに代わる通信手段

ここではPHSに代わる通信手段と、おもなメリット・デメリットを紹介します。

携帯電話

最もポピュラーな代替手段はやはり携帯電話でしょう。

現在主流の通信手段であるスマートフォンは、通話やメールだけではなく多くのアプリによって複数の機能を持ちます。企業においてPHSの代わりに導入すればコミュニケーションツールとして使い勝手が良いことはもちろん、使い方次第で生産性を向上させることも可能です。

従来の携帯電話(ガラケー)も通話やメールなどの限定的な使用にとどめるのであれば、それほど大きな問題はありません。

スマートフォン、携帯電話のどちらの場合も、PHSより使用できるエリアはかなり広く利便性が向上するでしょう。

FMC

FMCは「Fixed Mobile Convergence」の略で、スマートフォンや携帯電話などのモバイル端末をビジネス用の電話機として利用できるサービスです。固定電話とモバイル端末の契約を同じ通信事業者でまとめる必要はありますが、固定電話の代わりとしてモバイル端末を内線化して利用できるようになります。

FMCを利用すれば、外出中に外線電話の取次ぎができる、社内を移動しながら内線・外線通話ができるなどのメリットがあります。

また通常なら外線を利用すれば通話料が掛かりますが、モバイル端末を内線化すれば外出中の従業員とも無料で通話可能です。外出する従業員が多い企業では、通話料を大幅に削減できることがあります。従業員同士のモバイル端末を内線化すれば、テレワーク中でもオフィスと変わらない電話環境を用意できる点もメリットです。

なおFMCは外線として発信した際、自社の固定電話番号ではなく個人の携帯電話番号が表示されます。取引先に不審な発信元と勘違いされたり、個人の携帯電話番号が知られたくない相手に知られる可能性があったりする点には注意しましょう。

sXGP

sXGPは「shared eXtended Global Platform」の略で、スマートフォンと同じ4G回線を利用した構内PHSの後継規格です。4G回線を利用するため、スマートフォンをPHSのように使えるのがメリットです。また、PHSよりも高速で大容量のデータ通信が可能です。

ただしsXGPはまだ導入事例が少なく、一定のリスクとコストが掛かる点に注意が必要です。

クラウドPBX

PBX(電話交換機)は複数の電話回線を集約して、外線や内線のコントロールを行うシステムを指します。クラウドPBXは、PBXをクラウド上に設置することで、インターネットを介してビジネスフォン機能を利用するシステムです。クラウドPBXを利用すればスマートフォンを内線電話として利用できるほか、スマートフォンから固定電話番号での発信も可能です。

クラウドPBXは従来のPBXと異なり、機器や設置工事が不要で初期費用が抑えられるなど、多くのメリットがあります。ただしインターネット回線を用いて通話を行うため、回線の状況によっては通信品質が低下する、ウイルス感染・不正アクセスの危険性があるなどのデメリットもあります。

クラウドPBXについて詳しくは次の記事をご覧ください。

クラウドPBXとは?導入するメリット・デメリットや選び方、導入方法を解説! | Biz Magazine

携帯電話を企業でお得に導入する方法

携帯電話を企業でお得に導入する方法

ここからは、企業でPHSの代わりに携帯電話やスマートフォンを利用する際、お得に導入する方法について紹介します。

従業員・職員のスマートフォンに法人向けプランのSIMを導入する

従業員・職員が所有する個人のスマートフォンに、法人向けプランのSIMを導入する方法です。この方法は会社用の端末を用意する必要がないため、企業としては端末の購入費用を節約できます。

一般的なスマートフォン(携帯電話)は携帯端末とSIMをセットで契約する必要があり、初期費用が高額になりがちです。端末自体を用意する必要がなくなれば、大幅に経費を削減できるでしょう。

法人向けプランとしておすすめなのは、「楽天モバイル法人プラン」です。

データプランに加え、音声+データプランの2種類があり月額料金は以下の通りです。

【データプラン】

  • ・データ3GB:980円/月(税込1,078円/月)
  • ・データ7GB:1,480円/月(税込1,628円/月)
  • ・データ30GB:2,380円/月(税込2,618円/月)

【音声+データプラン】

  • ・音声+データ3GB:1,980円/月(税込2,178円/月)
  • ・音声+データ5GB:2,380円/月(税込2,618円/月)
  • ・音声+データ30GB:2,780円/月(税込3,058円/月)
  • ・音声+データ無制限:2,980円/月(税込3,278円/月)

電話はせず通話はアプリで済ますなどデータ通信のみで問題ない方は、データプランの「データ3GB」であれば980円/月(税込1,078円/月)から利用することが可能です。

音声+データプランの場合でも「音声+データ3GB」であれば1,980円/月(税込2,178円/月)とリーズナブルな価格で使用することができます。

また、楽天モバイル法人プランの音声+データプランのみで利用することができますが、Rakuten Link Officeアプリを利用することで国内通話がかけ放題になります。海外からの発信でも対象国と対象地域からであれば、日本国内への通話も無料です。

さらに、すべての契約回線をWeb管理ツール「my 楽天モバイル Office」で一括管理することが可能です。このツールを使えば契約回線の利用状況が一目でわかるほか、毎月の請求書のダウンロードや過去の利用状況の確認、契約プラン変更やオプション追加などを簡単に行えます。

疑問点があれば問い合わせも可能です。問い合わせ方法は「電話・チャット・Web」の3種類があり、多様な場面で課題を素早く解決につなげられます。

楽天モバイル法人プラン | 楽天コミュニケーションズ株式会社

より費用を抑えたい場合の方法

データSIMはデータ通信のみを利用できる契約のため、通常の音声通話SIMより基本料金を安く抑えられます。データSIMを利用して通話をするには通話アプリを利用します。例えば、LINEなどの通話アプリは使用時に料金が掛からないため、通話料無料で利用可能です。

法人で導入する場合には、楽天コミュニケーションズが提供する「モバイルデータ通信サービス」がおすすめです。

モバイルデータ通信サービス

スタンダードタイプのプランであれば使用用途に合わせ1GB~50GBの容量を選ぶことができるので、企業に合ったプランを選択可能になります。

スタンダードタイプ

スタンダードタイプはデータ容量別に定額で利用できるプランで、上り・下りの両方で高速通信が利用可能です。

上り優先タイプ

上り優先タイプは、上りはデータ容量まで高速通信が利用できますが、下りは最大200kbpsというアップロードに特化したプランです。監視カメラやドライブレコーダーなどに適しており、下りが低速な分、スタンダードタイプより月額料金を安く抑えられます。

IoTタイプ

IoTタイプは上り・下りとも最大200kbpsと低速な分、安価なプランです。データ通信量の制限はなく、データ収集や分析への利用に適しています。

上記の3タイプのほか、オプションで固定グローバルIPアドレスを取得する、複数回線のデータ容量をシェアするなどのサービスもあります。

法人向けモバイルデータ通信 | モバイルデータ通信サービス | 楽天コミュニケーションズ

通話のみの場合は楽天コミュニケーションズが提供する「モバイルチョイス“050”」もおすすめ

モバイルチョイス“050”

楽天コミュニケーションズが提供する「モバイルチョイス“050”」は、通話のみを利用する場合におすすめのサービスです。従業員のスマートフォンや携帯電話に050番号を付与するもので、プライベートで利用する場合は携帯電話番号を、ビジネス用途の場合には050番号を使って発信できるようになります。

「モバイルチョイス“050”」は、050番号を使用した場合のみ通話料金を企業に請求する仕組みのため、プライベートとビジネス利用時の会計を簡単に分けられます。また初期費用や月額基本料は0円になり、1分当たりの通話料に関しても全国一律で19.8円、固定電話や携帯電話との通話が可能です。

自社内で通話用の携帯電話を導入したい場合は、初期費用や維持費が掛からない「モバイルチョイス“050”」を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

モバイルチョイス“050” | 楽天コミュニケーションズ

まとめ

PHS(移動型無線通信機器)は1995年にサービスが開始され、1997年の最盛期には700万件もの契約数を獲得しました。しかしその後は、携帯電話やスマートフォンの普及により徐々に市場が縮小していきます。そして2021年1月31日には、個人向けのPHSのサービスは終了しました。さらに法人向けのサービスも、病院などの内線利用を除いて、2023年3月31日に終了しています。

PHSは端末からの電磁波が弱いため病院や介護施設などで広く用いられていましたが、スマートフォンで現在主流になっている4G以降は医療機器への影響は少ないとみられています。

PHSの代わりとして利用できる通信手段には、携帯電話やスマートフォン、FMC、sXGP、クラウドPBXなどがあります。このうち企業で携帯電話やスマートフォンを導入するなら、法人向けプランのSIMを利用する、データSIMを契約する、楽天コミュニケーションズが提供する「モバイルチョイス“050”」を利用するといった方法がおすすめです。

通話のみを利用したい場合は初期費用や維持費が掛からない「モバイルチョイス“050”」を選べば、通信コストを大幅に削減することもできるでしょう。

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