楽天グループのフュージョンがNIST(※1)
クラウド定義(※2)に準拠した
総合的なクラウドスタック「copse」(コプス)を開発
-テクノロジープレビュー登録者に1年間の無償使用枠を提供-
-今年度中にオープンソースとして技術公開予定-
2011年5月25日
フュージョン・コミュニケーションズ株式会社
楽天グループの通信事業会社であるフュージョン・コミュニケーションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:相木孝仁、以下フュージョン)は、総合的なクラウド技術「copse」(コプス)テクノロジープレビューを2011年5月25日から開始します。(http://copse.jp)
copseはNISTによるクラウド標準定義に準拠した総合的なクラウド基盤構築をESB(※3)、SAML SSO(※4)、Rule Engine(※5)によって制御されたコンポーネントの組み合わせによって柔軟に実現にすることを可能にしたクラウドスタックです。copseで実装されたすべてのモジュール、サービスにはSOAP API(本日時点73個)が提供されますので利用者によるマッシュアップにも柔軟に対応します。
またcopseは、今回発表したIaaS機能の他にも機能拡張を続け、今後1年以内にオープンソースとして技術公開する予定です。なお、去る5月17日に楽天株式会社ならびに丸紅株式会社(以下丸紅)より報道発表がございました丸紅によるフュージョンの第三者割当増資引き受けはcopse普及推進を主眼としており、この技術を共同で展開することを計画しております。
今回のcopseテクノロジープレビューの目的は、copseクラウドスタックが商用水準のクラウド構築に利用可能であることを実証することにあります。そのためにフュージョンのキャリアグレードインフラストラクチャに、copse専用となる多経路かつ冗長化構成されたネットワークとTIA942 Tier III(※6)に対応した堅牢なデータセンターを用意しました。この設備にcopseクラウドスタックのテクノロジープレビュー環境を構築することにより、NIST標準定義でいうFive Essential Characteristics(※7)を具備することが可能になりました。
copseテクノロジープレビュー登録者には登録から1年間、標準で下記のIaaS機能について無償使用枠を提供します。
- 0.2~1ECU(※8)の計算資源を利用可能なmicro ECU相当のInstance(※9)換算で月間750時間提供
- Instanceにマウントして利用可能なブロックストレージを月間20GB提供
- ロードバランサー機能を月間750時間(月間15GBの処理容量付)提供
- 上り、下りそれぞれ月間15GBの伝送容量
- Instanceモニタリング機能付きダッシュボード等周辺機能一式
無償使用枠は使用目的、使用状況等審査の上、増減されることがあります。また、東日本大震災被災者支援向けシステム構築・運用目的の場合は優先して増枠させていただきます。
テクノロジープレビュー利用申し込み手続き
- 1.http://copse.jp
トップページより、新規会員登録ボタンを押下して利用申請手続きを行ってください。 - 2.利用申請いただいた方の中から評価計画上の適合性の高い方から順に招待メールをお送りします。
- 3.招待メールに記載の手順に従って登録手続きを完了しますと利用可能になります。
テクノロジープレビューでの提供機能
Service | ||
Dashboard | copse Management Console | |
laaS | Compute | Flex Virtual Machine(FVM) |
Flex Auto Scaling | ||
Networking | Flex IP Address | |
Flex Load Balancing | ||
Flex Firewall | ||
Storage | Flex Block Storage(FBS) | |
Monitoring | Flex Statistic | |
Support | Service Health Dashboard | |
Forum | ||
FAQ | ||
Development | copse API |
【備考】
- ※1.NIST=National Institute of Standards and Technologyの略。アメリカ国立標準技術研究所と訳されます。
- ※2.NISTが2009年に発表したThe NIST Definition of Cloud Computing version15を指します。Cloud定義として広く参照されており、事実上の標準定義となっています。原文は以下のURLを参照のこと。http://csrc.nist.gov/groups/SNS/cloud-computing/
- ※3.ESB=Enterprise Service Busの略。SOA=Service Oriented Architectureを実現する技術のひとつです。標準仕様(copseではSOAP)に基づいて記述されたコンポーネント相互の接続を実現する論理Busで、ESB自体もコンポーネントの一つで、copseの場合、copseを構成する物理、論理コンポーネントはすべてESBに接続されています
- ※4.SAML=Security Assertion Markup Language の略。IDやパスワードなどの認証情報を安全に交換するためのXML標準仕様です。SSO=Single Sign-Onの略。一度の認証で複数のサービスの認可を同時に行う機能で、copseの場合、ESBに接続されたコンポーネント間の認証認可を司っています。
- ※5.Rule Engineとはマッチングアルゴリズムを利用して定義されたビジネスルールに従った制御を提供し、copseの場合、ESBとSAML SSOに接続されたコンポーネント群によって実現されるサービス群の制御に利用されています。
- ※6.TIA=Telecommunications Industry Association、アメリカ電気通信工業会が定めたデータセンター用設計規格です。Tierは等級を表します。Tier III準拠の場合、無給油で72時間の自家発電能力を有します。
- ※7.Five Essential CharacteristicsとはThe NIST Definition of Cloud Computing version15に定義されたクラウドの持つ5つの本質的特徴をいいます。具体的にはOn demand self service=利用者が必要に応じて即座に自動的にプロビジョニング可能であること、Broad network access=大容量回線アクセスを備えていること、Rapid elasticity=プロビジョニングが即座に動的に実行でき、いくつかのケースでは自動的にスケールアウトでき、従量制で購入できること、Resource pooling=資源が共有され、利用者の要求によって動的に割り当てされ、資源の物理的・論理的位置を利用者が制御する必要が無いこと、Measured Service=サービスの種別毎に適切な抽象レベルで測定され、自動的に資源消費を制御し、最適化できること、をいいます。
- ※8.米Amazon Web Services が定義した仮想マシンの演算性能指標ECUを準用しています。1ECUはIntel XeonまたはAMD Opteronの1.0G~1.2GHz相当を指します。
- ※9.copseにおいてはユーザー専用に割り当てられる仮想マシン等の仮想オブジェクトをinstanceといいます。
http://www.fusioncom.co.jp/news/2011/pdf/20110525.pdf (463KB)
「Everything Over IP」の実現をコンセプトとして、固定通信 (マイライン)、IP 電話、モバイル (楽天モバイル)、インターネット接続サービスを提供する楽天グループの通信事業会社です。IP プラットフォーム上での音声やデータ、コンテンツやアプリケーションなどの新たな可能性を創出すべく、更なる事業展開、拡大を目指します。詳細はhttp://www.fusioncom.co.jpをご覧ください。
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経営企画部 吉賀(よしが)、悴田(かせだ)
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